AIによる道路ひび割れ検出・測定システム開発事例
インフラの老朽化が進む中、道路のひび割れ検査は安全確保と維持コスト削減のために重要な課題となっています。従来の目視点検は人的コストが高く、主観的で精度にばらつきがあるという問題がありました。

本プロジェクトでは、ディープラーニングを活用し、道路画像からひび割れの位置・長さ・幅を自動で検出・測定するAIシステムを開発しました。これにより、客観的かつスケーラブルなインフラ評価を実現します。
主な機能
■ ビジネス機能
- ひび割れ自動検出(AIモデルによる画像解析)
- ひび割れの長さ・幅の精密測定
- 道路全体の損傷率(Crack率)の可視化
- 顔・ナンバープレートの自動ぼかし(プライバシー対応)
■ 技術機能
- マルチモデル対応(柔軟なモデル切替)
- AWSクラウド対応(スケーラブル構成)
- 高精度かつ説明可能なAI(Explainable AI)
- スケーラブルな処理性能
技術的課題と解決策
1. カメラ環境の非標準化(Dashcam問題)
車両ごとに異なるカメラ角度・位置・解像度により、画像品質が不均一となり、検出精度に影響。
👉 解決策:
- 論文調査と複数アプローチの組み合わせ
- 柔軟な設定オプションを提供し環境差異に対応
2. メタデータ不足(GPS・カメラ情報)
入力動画にGPSやカメラパラメータが不足し、解析精度に制限。
👉 解決策:
- 事前学習モデルのファインチューニング
- 顧客との連携によるデータ補完
- 不足データに対する代替ロジック構築
3. データセット不足とライセンス問題
商用利用可能なデータセットが限られている。
👉 解決策:
- 公開データをベースに独自データ生成
- ライセンス確認を徹底し安全に活用
開発成果
- 開発期間:7ヶ月
- 検出精度(mAP):0.639
- 誤差(RMSE):0.053
- 処理速度:10FPS
👉 AIシステムとして実用レベルの性能を達成
ビジネス効果(超重要)
- 点検コストの大幅削減
- 人的ミスの削減(客観評価)
- インフラ維持の効率化
- データドリブンな保守計画
技術スタック
- Python
- Computer Vision
- Deep Learning
- AWS
教訓
- 環境差異を前提に設計することが重要
- データとライセンス管理は最優先事項
- AI活用により研究・開発のスピードを大幅に向上可能

English